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久々のインテリア取材スタート

少し前のことになりますが、秋に発売予定の書籍の撮影のため、その本の著者とカメラマンとともに、ある素敵な年上の女性のお宅にお邪魔しました。

このご時世での決行なので、スタッフ全員マスク姿で、細心の注意を払いながらの取材でしたが、とても楽しい時間でした。お部屋に入る前から、美しいお庭にも目が釘付けに。この春デビューの俄かガーデナーとしては、窓辺をつたう満開のアイスバーグや淡いグレーの外壁を背に咲き始めたクレマチス、雨の中にふんわりと花を咲かせたアナベルに魅了されました。


今回は、著者に同行して一緒に話題を引き出したり深めたりするのが主な役目だったので、普段の取材より少しだけ気楽な立場です。でもお話が面白くて、気がついたらいつも通り、しっかりメモを取っていました。


5年前にキッチンと水回り、昨年は寝室、そしてこの春はガーデン。3段階で住まいのリフォームをされたとのことで、このほど全ての工事が完了。とびきりセンスの良いかたなので、もともと本当に素敵なお宅なのですが、今のご自身にぴったりフィットした、素晴らしい住み心地の家になったと話されていました。若い頃に上質なスタンダードに触れる機会があり、そのブレない軸を保ったままグレードアップしていくという年齢の重ね方に、さすがだなーと改めて共感。


素敵な家というのは実に隅々まで素敵なもので、手作りの純白のリネンカーテンやドレッサーに飾られた一輪のアナベル、ベッドルームのクッションにちょこんと座っていた古いテディベアなど、小さなコーナーの印象的なシーンを思い出せば切りがないのですが、窓辺にディスプレイされていた小石も可愛かった! これまで旅してきた国の海や湖や庭で拾ってきて、いつの間にか集まった石を、スウェーデンの作家もののガラスの大皿に飾っていらっしゃいました。こんなに素敵ではないけれど、私も旅先で拾ってきてなんとなく集まった石をお皿にのせて飾っているお気に入りのコーナーが家にあるので、ちょっとうれしかったです。一週間後が新聞連載コラム「普段着のインテリア」の締め切りだったのですが、そこから思いついて「積み重ねた時間の美しさ、自然の石を飾る」という話を書くことになりました。

帰り際「田村さん、こういう本作らないの?」と見せていただいたのが写真の本。不勉強でこの本のことは全然知らなかったのですが、私のもう一つの仕事サイトを時々見てくださっているその方が、サイトの中のクリエイターズ・インタビューという連載記事を読んで、そこで私のやっていることや目指すことが「この本と近いんだろうな」と思ってくださったとのこと。そうなんだ。今、これを書いていて、この本を読んでみようと思ったことを思い出しました。


とりとめなくなりましたが、いろんなことを気づかせてくれるインテリア取材が来月も続きます。大変な状況ですが、ご協力いただけるありがたさを胸に、秋の完成に向けてがんばりたいと思います。

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