My Rose Laboratory

12月になってもまだちらほらつぼみをつけている庭のバラたち。四季咲きのバラって本当に冬まで咲き続けるんですね。「病気に強く、初心者でも育てられる」という品種を中心に、初夏からいきなりスイッチが入って、育てているバラは14種類になり、ちょっとしたラボラトリーの様相を呈しています。

耐病性に優れる品種を探していて知ったフランスのデルバール社のバラは、調香師による香りの解説がついているのも気に入ったポイントでした。香水と同じで、トップノート、ミドルノート、ラストノートでそれぞれどんな香りがするのか、図解されているのがとても面白かったのです。さまざまな香りが複雑に入り混じっているものもあれば、単純に1つか2つのものもあり、花の色や形、咲き方以上に興味を惹かれました。


夏の終わりから冬にかけて庭を彩ってくれた花のいくつかをご紹介しますね。


デルバールの絞りの入ったバラの中でいちばんのお気に入り「グリマルディ」。朱色に近いオレンジ色とクリーム色のツートーンで、花によって比率が変わるのも楽しい。樹はコンパクトなのに次々につぼみをつけて、秋の間ずっと咲いていました。最初にレモン、そしてローズが追いかけるさわやかな香り。南フランスのお城の名前がついていて、どことなく南国の花というイメージもあります。


ピンクのバラ2種。手前は「ビエ・ドゥー」、ピンクに白のシャドーストライプの入ったカップ咲きです。香りはトップノートがローズ、そのあとバニラがふんわりと香ります。香りと色の組み合わせがぴったり。ちょっとロマンチックな感じのする花です。

奥に見えるのは「ナエマ」で、こちらはピンク単色。特徴は、香りがとても強いことで、レモングラスの芳香に続き、ローズ、桃、洋梨、アプリコットのフルーツ香が長く続きます。一輪だけ花瓶に生けておいて近くを通ると、アロマディフューザーか!というくらいよく香るのです。

どちらも結構大きくなるようなので、来年の春はアーチに仕立てられたらいいなぁと妄想しています。


9月下旬にふわふわの花が開いた「クロード・モネ」。デルバールには画家シリーズというグループがあって、マチス、シャガール、ユトリロとたくさん揃っています。陽気なピンクにクリームイエローの絞りが、昔好きだった「ストロベリーチーズケーキ」というアイスクリームみたいです。香りはアニス、ローズ、リーフ、フランボワーズと変化していく、それを聞いただけで欲しくなって取り寄せてしまいました。愛犬が他界した直後だったので、たくさん咲いたアイスバーグと一緒に、写真の前に供えました。元気な感じが彼女によく似合っています。庭から切り出したフレッシュな花をいつも飾れるって楽しいなと思いました。


とても個性的でシックな花です。明るい赤に赤茶色の絞りで、まだ赤ちゃん苗なので写真では一輪で咲いていますが、成長すると房になって咲くという「ラ・レーヌ・ドゥ・ラ・ニュイ」。夜の女王という意味です。葉っぱがちょっと赤みがかっていてつやつやしているのも面白い。香りは弱いですが、ちょっとかっこいいバラだなと思って手に入れました。来年が楽しみです。


少し紫がかった美しいカーディナルレッドに濃いピンクの絞りが入った「ギー・サヴォア」を、先程の「グリマルディ」と一緒にイギリスアンティークの花瓶に生けました。ふわっと軽やかに咲く感じがとても好みです。ギー・サヴォアも大人っぽい赤が欲しくて手に入れたもので、花は少なめでしたが半年で樹はかなり大きくなりました。有名なフレンチシェフの名前がついているだけあって、オレンジ、桃、アプリコットの後にバニラがふわっと残る、おいしそうなお菓子のような香りです。


一輪だけ花をつけた「ダム・ドゥ・シュノンソー」。ちょっとくすんだシックなサーモンピンクです。大輪で、小さな花びらが密に幾重にも重なる「ロゼット咲き」。このように花芯が複数に分かれるタイプは「クオーター・ロゼット」と呼ぶそう。香りも濃厚で、資料によるとオレンジ、アニス、水仙、リーフ、フルーツ、皮革、チャイブが複雑に混じり合っているのだそうです。そこまでいくとさすがに全部はわからないですが、オレンジとアニスと水仙まではなんとなく感じられました。ロワール河畔の古城の一つが名前の由来で、シュノンソー城の貴婦人という意味。こんな花がたくさんついた生垣は、見応えがあるでしょうね。


今回紹介した中では、このバラだけ国産です。少しピンクがかったクリーム色で、フランス語で冬という意味の「リヴェール(l'hiver)」という名前がついています。この子も「すごく丈夫!」という言葉に惹かれて手に入れたのですが、静かで楚々とした雰囲気が、他の華やかなフランス人たち(笑)とは一味違う魅力です。将来、ラボラトリーの花たちがたくさん咲いてにぎやかになったら、この子のような控えめな個性が、全体の調和を取ってくれるんじゃないかなと思っています。

他にも数種類いて、今のところ全員元気で冬越しできそうです。ごく狭い範囲ですが、半年間で自分なりに調べたり試したりして、さらにハマってきました。


来年の春を待ちきれず、小さいアーチを買って鉢植えのまま、なんちゃってアーチを作って楽しんだりしています。暖かくなる頃、またラボの様子をレポートできるかもしれません。