本好きのインテリア

(「インテリアに興味のない人も読める、インテリアの記事を書いてください」とのリクエストで、2019年9月から2020年2月まで地方新聞十数紙の趣味文化欄に連載された『読むインテリアレッスン』全20回を、時事通信社様の許可を得てこちらに掲載します)


図書室に住むのが夢!

写真の赤いライブラリーは、知り合いのすてきな女性が自宅の地下に持っている読書室です。ドアや窓、階段部分以外の壁はすべて本棚という、本好きにとって夢のような部屋。中央に花を飾った大きなテーブルが置いてあって、好きな本を手にとってそこの椅子に座り、手元に紅茶でも置いて読むのもいいし、本棚の脇に置かれた一人掛けソファにゆったり身を預けて、本の世界に浸るのも最高。家を建てる時に、収納しきれず段ボール箱で保管していた蔵書を一堂に収められる空間がどうしても欲しくて作ってもらったそうです。


たっぷり収納できるのはもちろん、飾る、分ける、くつろぐ工夫もいっぱい

世界の絵本のコレクターでもある彼女らしく、本のテーマや国、作家ごとに棚を分けたり、希少な本のための特別な場所を設けたり、お気に入りの表紙を飾れる小さな棚を作ったりと、細かい工夫がいっぱいの空間です。本棚に施されたクラシックな意匠が、外国のライブラリーにいるような非日常感も醸し出しています。棚の色の深い赤は、この空間に入るといつも、くつろぎつつもワクワクする、そんな気分も表しているのだそう。


ここまで本格的なライブラリーは難しくても、本と楽しく暮らすために、この写真から学べることはたくさんありそうです。本屋さんや図書館、ブックカフェやホテルのインテリアも、本の並べ方や飾り方、本を取りに行くときの動線のヒントになります。


たとえば壁一面を本棚にして、近くに一人掛けのソファとフロアランプを置けば、そこはあなただけのライブラリー空間に。壁全面が難しければ窓の下をぎっしり本棚にしてもいいし、細長い廊下があるなら、奥行きの浅い本棚をずらっと並べるのも楽しそう。


階段スペースを利用して本棚を作る人も多いですね。ご主人が大の読書家のあるお宅では、3階までの階段の吹き抜けスペースを、天井までぎっしり本棚にしています。よく図書館で見るようなはしごがかけてあり、それに登って高い位置にある本を取り出すのが楽しいと話してくれました。好きなことが伝わるインテリアは、住む人も訪れる人も楽しませてくれます。