ファンの一人としてできること

東京・西荻窪で25年間、地元の人々を中心に愛されているフランス料理店「ビストロ サン ル スー」のウェブサイトを制作させていただき、明日7月5日、公式オープンします。

私はこのお店の大ファン。20代の終わりに西荻窪に引っ越して来てすぐ、ご近所に見つけたお店です。明朗快活で優しいマダムと寡黙で実直でユーモアのあるシェフのお人柄、何を食べても抜群の素晴らしいお料理と心地よいサービスと温かな雰囲気が大好きで、誕生日や結婚記念日、友達とゆっくり話したいときなど、いろんな機会に利用してきました。変わらないいつもの味と笑顔とホスピタリティで迎えてくれる安心感。この街を離れられないのは、こういうお店があるからなんじゃないかと思うほどです。


この春のコロナウィルスによる緊急事態宣言下の営業自粛の際、何もできないのはわかっているけれど、とにかく声援を送りたくてFBページにメッセージを送ったところ、お電話をくださったマダムとの会話で、初めてのウェブサイトを作ろうという話に。「超アナログ人間でパソコンも持ってないの。本当に今さらだけど、ホームページ作ってみたい。お願いしていい?」。私にとっては、いつも楽しませてもらっているお礼がようやくできるうれしさしかありません。喜んでお引き受けしました。

まずは、シェフとマダムのお話をじっくり聞きに行きました。店舗営業自粛中の2ヶ月間、支えてくれるお客さんのありがたさをしみじみと感じたこと。これまであまりに忙しくて考えられなかったことを考える時間ができ、自分たちがこれから本当にやりたいことに気づいたこと。今回の思いがけない事態が、気になっていたさまざまな課題に結論を出す後押しになった気がする、とシェフもマダムも語っていました。

ウェブサイトでは、席の予約やテイクアウトメニュー購入のオンライン化を導入することもできたのですが、「お客さん一人一人と直接お話ししたい」というマダムの希望で、そういった仕掛けは一切つけませんでした。その代わり、お店のストーリーやシェフとマダムの思いを言語化し、お店の飾らない空気感をリアルな動画や写真、お客さまの声で伝え、皆さんがこれから取り組んでいきたいことも伝わる、楽しく温かい雰囲気をシンプルに出せたらいいなと思いました。


5月に話をして、6月にコンテンツ制作、7月初めに完成。スピーディに進んだ仕事でしたが、店内の撮影中「コロナがなかったらウェブサイトを作ろうなんて思わなかった」とマダムがしみじみと言いました。私ももちろん引き受けることはなかったと考えると不思議な感じです。


右から、ビストロ サン ル スーのシェフ金子淑光さん、スーシェフの香田奏人さん、マダムの金子智恵美さん。

「作ってもらったウェブサイトを見ていると、お店を始めた頃の思い、忘れていた原点を思い出し、感動と反省と新たな意欲が渦巻いています。なんだか生まれ変わった気分です」と、納品後いただいたメッセージにありました。

昔も今も私はこのお店のファンの一人でしかないのですが、たまたま自分にできることで相手を喜ばせることができ、そのことが本当にシンプルにうれしい出来事でした。改めて、とても幸せな仕事をしているんだなと思いました。


ビストロ サン ル スー 公式ウェブサイト

#111, 1-17-15 Shoan

Suginami-ku Tokyo 

167-0054 Japan

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