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2021年の2色

地方新聞十数紙の家庭欄に連載しているインテリアコラムの1月分で、「時代を象徴する色」の話を書きました。アメリカのパントンカラー研究所が毎年12月に翌年のテーマカラーを発表しますが、2021年の色が少し前に話題になっていたので、ご存じの方も多いと思います。


通常は1色ずつ選出されるのですが、2015年に続き、今年は2色選ばれました。穏やかで包容力のある「アルティメット・グレー」と、温かな光を思わせる明るいイエロー「イルミネイティング」というその2色が偶然、我が家と友人のヘザー・ブラッキンさんの家のテーマカラーにそっくりだったので、挿絵は決まり。ヘザーさんに連絡して写真を借りる承諾を得て、この2枚を使ってください、と記事担当の方に提出しました。



インテリア誌と違い、新聞コラムはインテリアやカラーに特に興味がない人にも読んでもらえるように書く必要があるので、初めの頃は少し戸惑いましたが、最近は少し慣れて、肩肘張らずに書くことができるようになってきました。送られてくる掲載紙を見ると、びっくりするくらい写真を大きく扱ってくれている新聞があります。写真に惹かれて取り上げてくれる記者や読んでくれる人が多いみたいですよ、と担当の方がうれしいことを言ってくれました。上のヘザーさんの寝室の写真はインスタグラムから選んで送っていただいたものですが、色もスタイリングも光も本当に美しいので、これに惹かれて読んでくださる方がたくさんいるといいなと思います。(ヘザーさんのインスタグラムはこちら



拙宅のリビングの壁の色は、平凡な白だったのをかれこれ10年前に「FARROW & BALL」のペイントで塗装したものですが、あまりに気に入っていて他の色に塗り替える気がまったく起こらず、ずっとこのままです。「Gervase Yellow」という色で、明るいクリーム色に少しグレーを混ぜたような、黄色系にしては落ち着くトーンです。


世界中がパンデミックに襲われた不安な世情に、少しでも明るい気分と安心を、という願いが込められた2色。長いステイホーム時間が当たり前の日常になった今、インテリアに手をかける人が増えていくといいな、と願いを込めながら、この色の壁に囲まれて日々仕事をしています。

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