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小さな模様替えの効用

(「インテリアに興味のない人も読める、インテリアの記事を書いてください」とのリクエストで、2019年9月から2020年2月まで地方新聞十数紙の趣味文化欄に連載された『読むインテリアレッスン』全20回を、時事通信社様の許可を得てこちらに掲載します)


部屋の空気を動かす習慣

最近、部屋の模様替えをしましたか? ほぼリフォームに近い大規模なものでも、棚や壁の小さなディスプレイ替えでも、模様替え後のリフレッシュした気分は格別。この効果をもっと気負わず日常に生かせたら楽しいのに、とよく思います。


ディスプレイは自分らしさ全開で。目にすると幸せな気分、 それだけでOK!

部屋の空気は、何も動くものがないとよどんで沈み、気づかないうちに住む人の気分も停滞させてしまいます。掃除をしたり、窓を開けたりすることも効果的ですが、小さな模様替えも意外なほど部屋と人を元気にするパワーがあります。試しに週に1回、家のどこかでごく小さな模様替えをすると決めて、部屋の空気を少しずつ動かすことを習慣にしてみませんか。「自分に毎日少しだけ違う景色を見せる」くらいの気軽な気持ちで。


コツは、家事とセットにしてパパッとやることです。棚の上を拭くついでにディスプレーの配置を変えるといった、ささいなことで大丈夫。しばらく続けると、家全体の雰囲気が活気づいているのに気づくはずです。そして時々、テーブルやソファなど大きな家具を動かしてみましょう。テーブルの位置を90度変えるだけでも見える景色が変わり、そこから新しい発想が生まれて、別の場所の景色を変えたくなるかもしれません。そうして部屋も人の感性も少しずつ、でも絶えず確実に、新陳代謝が進んでいきます。


長く部屋をアップデートしていないと感じる方は、ぜひ「部屋の空気を動かす」から始めてみてください。そんなふうに自分に「今日の居心地はどう?」と聞きながら過ごすことで、忙しい毎日も小さなワクワク感と幸福感に満たされていきます。


これまで、インテリアのプロや素敵な部屋に住む人々にたくさん出会ってきました。そんな経験も踏まえつつ、自分らしい部屋づくりを積極的に楽しみ、愛着の持てるインテリアを考える小さなヒントを、さまざまな角度からお伝えします。

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